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星襄一 樹の連作

星氏の生きてきた姿と信念を樹に投影し表現された「樹の連作」は、千葉県八千代市に在住していた時期に描かれた。(1970年~1979年歿)

亡くなる直前まで描かれた樹の作品は代表作となり、広く美術愛好家の中で人気のシリーズ。

星氏が表現する「樹」は実在しない。
彼の心象に存在する「樹」である。
原風景の中の「大樹」。
それは、感覚的に表現される樹。
逆境を闘い抜きながら屈折し、どこまでも伸び続け広がっていく星氏自身の生き方を表しているようだ。

作家紹介 ー 星 襄一 ー

1913-1979 版画家
新潟県に生まれる。
1976年から没年まで八千代市勝田台に住む。
台湾で長く教職に就き、戦後は郷里の新潟に帰り孔版画を習う。
40歳を過ぎて武蔵野美術学校に学び、その後木版技法を独習。
数々の国際展に出品し、海外での評価が特に高い。
星座や雪、特に木に生涯こだわり続け「樹の星」と称される。

八千代市は、昭和62年にご遺族から寄贈を受けた「樹シリーズ」149点を含め、そのほぼ全作品となる354点を先行取得。
市民会館3F「星襄一版画展示室」を経て市民ギャラリーに収蔵される。
※版画をはじめとした絵画作品の他、「スノリア」「版木」、作家が愛用した道具なども多数収蔵する。


略歴
1913 9月27日、新潟県に生まれる
1932 台南師範卒、現地にて教職13年
1946 戦後台湾より引揚げ生地に帰る
1949 孔版画を習い、日本版画協会展にて受賞
1952 日本版画協会会員となる
1956 武蔵野美術学校卒、木版画独習
1959 国画会にて国画賞受賞
   第2回東京国際版画ビエンナーレ
1960 国画会会員となる
1961 第3回東京国際版画ビエンナーレ
1963 第4回東京国際版画ビエンナーレ
1967 サンパウロ国際版画ビエンナーレ
1969 ニューヨークにて現代日本版画巡回展
1970 オレゴン大学にて100人の日本版画巡回展
1971 ベルギー・ブラッセルにて現代日本版画展
1972 イタリー・カルピ国際木版画トリエンナーレ
1974 ジャパン・アート・フェスティヴァル
1976 ジャパン・アート・フェスティヴァル
   ベルギー現代日本版画展
1977 モンゴル取材旅行
1979 6月17日、病没

森に棲む月 大

26.2×35.2 1970年

星の森(大)

42.0×88.0 1971年

老樹

60.6×49.6 1975年

木の風景(E)

31.0×75.0 1975年

55.5×55.5 1975年

夜明け

48.0×92.0 1975年

高い梢(B)

68.0×42.0 1976年

丘の雑木

24.8×55.5 1976年

王の樹

55.5×88.0 1976年

赤い一列

37.2×74.5 1976年

梢(星)

55.5×55.5 1976年

星木立

18.0×24.7 1977年

夜景(赤)

42.0×66.0 1977年

55.5×79.3 1977年

冬樹

55.5×79.3 1977年

枝繁る(青)

35.0×92.0 1978年

枝繁る(赤)

35.0×92.0 1978年

枯草の風景(A)

24.8×49.6 1978年

枯草の風景(B)

31.0×51.0 1978年

野の木(A)

56.3×71.0 1978年

杉(朝)

48.6×81.0 1978年

陽(林)

31.0×93.0 1978年

杉(夕)

48.6×81.0 1978年